ヒーロー
前回の続き。
少しまとめて話す。シドニーでヒッチハイクをして乗せてくれた人が目的地のウルルまでは危険と判断してゴールドコースト、ブリスベンのチケットを取ってくれた。ところまで。
ツアー会社を出た彼と僕。僕は住む場所がない。今から寝れる公園を探さないと行けない。そうだ、シドニーで野宿をする。大体目星は付いていた。
ツアー会社でもその会話は出ていた。
また無謀なことだとみんなに笑われていた。
彼と晩御飯に行く予定をしていた。彼の車にバックパックを置いていた。それを取りに行き、彼に付いて行った。彼はホステルに連れて来てくれた。そこの代金を支払ってくれた。
なんていい人なんだ。
ホステルから晩御飯のマクドナルドに向かった。
向かう途中。
段差を上がるのに苦労していた車椅子の男性を押してあげていた。
彼は気さくでもある。すれ違う人とよく話す。Hy broと。
マクドナルドでハンバーガーを食べた帰り道もホームレスにお金を渡していた。そのホームレスを遠くから見ていた。ホームレスはすぐその場を去った。彼の顔が悲しげだった。誰にでも手を差し伸べているわけではない。手を課すべきか、そうではないかも見ていたのだ。
また彼は町の美化にも目を配っている。ゴミがあれば拾っていた。
その後の行動はびっくりした。ゴミを捨てたやつが目の前にいた。ゴミを拾って彼を注意した。拾うことは僕もしていた。注意するなんて相手に何されるかわからない。もしかしたら殴られるかもしれない。それでも彼はやっていたのだ。
ホステルまで送ってもらい別れた。
次の日ツアー会社で会う約束をしていた。バス乗り場まで送るためだ。その途中、晩御飯のタコスを買ってもらった。本当に彼はいい人だ。
『なぜそんなにも優しいのか?』聞いてみた。
私はキリスト教だ。私を見ている。私だけじゃないみんなのことも。人を助けることを見ている。常に良いことも悪いことも見ている。困っている人を助けることは非常に良いことだ。
『助けるのは当たり前じゃないか』と彼は言った。
僕は彼をヒーローと呼んでいる。